備忘録

どうでもいいこと、けど忘れたくないこと

4536進行を語る

youtu.be

4536進行って本当に日本人を感動させるというか、すごい進行です。

実際に、次の進行を繰り返して弾いてみてください。

F-G-Em-Am-....

Fから始まってGへ力強く進むんだけれど、Emで迷いが生じて、それでもAmっていう響きへ頑張って進む。そんなふうに、色んな物語の起承転結を4つのコードで見事に表した進行と言えます。

4536という数字は、それぞれのコードがキーに対して何度にあたるかを表しています。この進行はキー=Cメジャー(ハ長調)なので、Cから数えて4つめのF、5つめのG...となります。

単にこれだけでも名曲の予感がとってもするんだけど、この進行のすごいところは、その汎用性やカスタマイズ性の高さにあると思っています。事実、このコードを基にして本当に多くのヒット曲が生まれています。

 

たとえば、この進行の中で使っているコードは全て3和音なのですが、7thを加えてすべて4和音にしてみます。

youtu.be

FM7-G7-Em7-Am7-FM7-G7-Em7-Am7-....

一気に物語の彩度が増しましたよね。とくに冒頭のFM7が悲しみからの再起を思わせます。次は、2周目のFM7をDm7に、更にEm7をE7にしてみます。

youtu.be

FM7-G7-Em7-Am7-Dm7-G7-E7-Am7-...

2周目に入るときに、FM7の代理コードであるDm7が登場したことで、カメラが切り替わって別のカットに移ったような印象がありますね。 更に、Cメジャースケール上にないE7が登場したことによって、物語に意外性や緊張感、急展開といった印象が浮かんだと思います。(次のAm7によって、「あ、そういうことか」というふうに帰ってきます)

さて、いろいろあった物語も終わりを迎えます。進行の後半のEm7とAm7に、Cを代理コードとして当てたものを4周目に取り付けます。

youtu.be

FM7-G7-Em7-Am7-Dm7-G7-E7-Am7-

FM7-G7-Em7-Am7-Dm7-G7-C-C

長くなってきましたが、基本的には4つのコードを組み替えながらループしていると思ってください。最後のCはトニックといって、キーの中で最も落ち着いた響きを持ちます。色んなことがあったけど、物語はハッピーエンドで終わりましたね。

 

基本のコードを4周しながら考えてきました。ここでまた冒頭のF-G-Em-Amに立ち返って、4周していくそれぞれの1周にも、大きな起承転結を与えてみましょう。4コマ漫画の中をさらに四分割している感覚ですね。

youtu.be

1周目 = F-G7onF-Em-Am

Fはそのままです。さあ、都会でのお仕事を頑張ろう。2つめのコードをオンコードにして、GにいくはずのベースがFのままになっています。どうでしょう。G7に力強く進みたいのに、ベース音に足を取られて動けず、次のEmに落ちてしまった…そんなやりきれない感じになったのでは?運命のいたずらで仕事がうまく行きません。なんでだ!って感じです。

2周目 = Dm7-E7-Am-Am7onG

Fは代理コードのDm7へ。属性の違う、なんだか甘い悲しさがあります。恋人にフラれました。次のGは代理コードのEm7を更にE7としています。このE7によって、更なるどん底に突き落とされる感覚がありますね。仕事をクビになったみたいな。次にE7で起きた劇的な悲しみを、Amで一旦落ち着かせます。でも悲しい響き。実家に帰ってきたけど、これからどうしよう。そして、ベースがGに降りたところで物語は「この悲しいお話には続きがあって、」と次に行きます。

3周目 = FM7-G7-G#dim-Am7

頭の二つは4和音にして、辛いけど再起を図るイメージですね。3つめのG#dimは、これまたスケール上にない音を使っていますが、形としてはG7のコードをそのままに、ベースだけ半音上げたものです。ここで大切なのはG#が前後のコードのルート音を半音間隔で繋いでいるということです。これによって、ジリジリと上り詰めて行く感じを表現しています。再就職に向けて奮闘しています。

4周目 = Dm7-Dm7onG-C-C

もはや4536関係なく、ガラッと変わっているように思いますが、実際には上で弾いた4周目をさらに少し変えてみたものです。代理コードを入れたことで原型をとどめていませんが、目新しいのはDm7onGだけのはず。

Dm7onGはポップスではよくあるオンコードです。Dm7-G7という流れでも良いのですが、終着に向けて緩やかになって行く流れの中では、その響きはいくらか硬すぎます。ベースだけGに行くことで、Dm7にある甘い悲しみの響きに、水を含ませてぼやかすような雰囲気を加えています。ベースがGにいくと、感覚はCに向かっていきます。3周目まで辛い思いもいっぱいしたけど、今はなんとかやってるから大丈夫だよ。と言うふうな印象です。

 

ここまで、理論的に4536がいかに物語を構成する上で使いやすい進行なのかをお伝えしてきました。もちろん、まだまだカスタマイズする余地はあります。伝えきることは多分できないので、いろんな発想でやってみてください。