備忘録

どうでもいいこと、けど忘れたくないこと

脱マンネリ。コード進行の幅を広げる3つの要素

コード進行がありきたりで、作る曲のネタ切れ感がすごい…というアナタ。楽器屋さんとか本屋さんに行くと、「おいしいコード進行パターン」をたくさん連ねた本が売られているけど、自分の感覚と一致しなかったり、なかなか「じゃあこれで作るか!」ともなりませんよね。

実は、あなたが好きなコード進行に、下で紹介する3つのエッセンスを加えるだけで、劇的にコード進行の幅は広がります。ぜひトライしてみてください。

この記事、筆者の独りよがりなポップス理論なので、「こっちのがセオリーだよ」みたいなのがあったら教えてください。

 

 

0. コードの仕組みを知ろう

今回はとりあえず、J-Popの王道進行と言われるF-G-Em-Amを元に考えていきます。単純に筆者が好きなのと、考えやすいからです。この進行、ギターやピアノで弾いているといつまでもループしたくなります。しかし、そればっかりだと飽きるのも事実。

F-G-Em-Amの中で使われているコードを細かくみて、使われている音を書きだしてみると

F = F, A, C

G = G, B, D

Em = E, G, B

Am = A, C, E 

このようになっています。ギターだと5〜6本の弦が一度に鳴っていますが、実際のコードの成分は3種類の音だということです。このように、3種類の音でできたコードをトライアドといいます。3=トライということですね。また、この進行はCメジャー(ハ長調)なので、鍵盤でいうと白鍵しか使わないCDEFGAB(ドレミファソラシ)の7音を組み合わせたコードしか使っていないということです。この部分をスタートとして、始めていきます。

1. テトラッドと代理コードの存在を知る

コードの成分は、基本的にルート音から1つ飛ばしで拾って組み合わせます。そうして3つ拾ったものをトライアドと言います。トライアドは純粋な響きを持つ反面、現代人の複雑な心境を代弁するのには向いていません。そこで、もうひとつ音をとったコードを作ろうと4和音ができました。それをテトラッドといいます。

基本になぞらえて、上のコードにさらに1音付け足します。

F, A, C, E = FM7

G, B, D, F = G7

E, G, B, D = Em7

A, C, E, G = Am7

FM7-G7-Em7-Am7という進行になりました。最初にあげた進行と弾き比べてみてください。トライアドのみの進行も力を感じますが、テトラッドにした進行にはさらに哀愁のような雰囲気が出たのではないでしょうか。本来テトラッドには7のつくコードだけでなく6のつくものもありますが、今回は割愛いたします。

次に代理コードですが、テトラッドの音の並びをよくみてください。G7とEm7にはG, B, Dがそれぞれ同じ成分として入っていますね。Em7には、トライアドのGの成分がまるごと入っていると言っても良いでしょう。つまりEm7は、Emという悲しい顔を持っているのですが、同時にGという明るい表情も持てるコードということです。健気!

ここで、G<Em7という図式を立てます。詳しく考えると結構語弊があるのですが、こんな風に、テトラッドのマイナーコードにトライアドのメジャーコードが内包されているような関係にあることを代理コードと言います。ちなみに、F<Dm7であり、C<Am7です。代理コードの関係にあるものは、置き換えて雰囲気を違う方向へ持って行くことが可能です。

FM7-G7-Em7-Am7-Dm7-G7-C

代理コードを使い、後半の部分を追加してみました。色んなことがあったけど、今ではいい思い出になりました。という雰囲気の進行になりましたね。

2. スケール上にない音をつっこむ

0. でも述べましたが、今回扱っているのはCメジャーの進行です。使われるスケールはCメジャースケール、鍵盤でいうと白鍵のドレミファソラシのみです。しかし、実際には白鍵だけでなく黒鍵もありますよね。コード進行の劇的な変化は、本来使われるべきスケールから外れた音を使う違和感、異質感によってもたらされます。台本通りにいく人生なんてない、ってことです。

FM7-G7-Em7-Am7-Dm7-G7-CM7-C7

さっきの進行の最後に、C7を追加しました。C7はC, E, GとB♭という黒鍵の音を含みますどうでしょう。Cで結末にたどり着いたと思ったら、C7の登場によってまだ続きがあるように感じませんか?続きはほぼ同じ進行ですが、次のように変えます。

FM7-G7-E7-Am7-Dm7-G7-CM7-CM7

二箇所を変えてみました。G#を含むE7の登場によって、何だかすごくピンチな場面が浮かび上がりませんでしたか?これが、スケール上にない音の力です。

ただ、劇的な変化や緊張感を生む分、安堵を覚える音の流れに強く引き戻されます。また、こういった特異なコードは、コード進行の流れの中で、たいてい前後のコードトーンの橋渡し役として登場します。C7中のB♭は、その前のCM7のBと次に来るFM7のAを繋いでいます。そしてE7中のG#は、G7のGとAm7のAを繋いでいるのです。

3. 小さくいじって流れを作る

代理コードは、コードの一部を残してルートを変えれば手軽に場面転換ができるのでぜひ利用してください。

また、スケール上にない音を使うと、ドラマが転がっていくという話をしてきました。

ここで大切なのは、「どのコードを使えばいい感じになるか」と進行をまるきり変えることを考えるのではなく、ベーシックなところから「どのコードのどの音をいじろう?」と小さくいじるように考えることです。C7はCM7のBを半音下げてみただけですし、E7はEm7をメジャーにしてみただけです。そう考えると、コードの形をアレコレ覚えるよりもよっぽどお手軽ですよね。

 2.の後半に作った進行で、「E7の代わりにG#dimを入れてください」と言われたとします。「え〜G#dimは…」とコードの形を思い出しているとリズムよく弾けません。「G7のルートを半音上げただけのコード」と思えば、GとAを繋ぐのに最適なコードだと分かります。「えっ、CキーなのにF#m7-5とか出てきてる。ややこしい。。」と思っていると覚えづらいですが、F#m7-5は「FM7のルートを半音上げたコード」と考えれば、進行の中で使うことも難なくできるはずです。

さて、最後にもう一度ベーシックなコード進行をお渡しします。弾いてみて、あなたならどのタイミングで場面を切り替えて、どこにピンチを救済を入れ、どのように結末を迎えますか?

 

FM7-G7-Em7-Am-F-G-C-C